赤松
まだここに何もなかった頃。どれくらい前のことか、私の話はちょっとうろうろしてる。ずっと忘れてたのかもしれない。まだそこにいるんだけどね。
もうここにはない海。とんでもなく大きな森。なんでもつくれるおっちゃん。いつも一緒にいたタカノ。夜トロッコに乗り込んで、ふたりならどこまでも行くことができた。風はどんなことがあっても死ぬことがない、と話していたばあちゃんは誰だったんだろう。見上げると、赤松の葉っぱが揺れていた。いまここにいながら、すべてがある……。
自身の短篇小説をもとに描かれた著者の創作の原点となる、漫画にしてまさに文学。オールカラー上製本の絵本仕立てで、ずっと手元においておきたくなる特別な一冊に。
*原作となった短篇小説の付録つき
著:坂口恭平
出版社:palmbooks
ページ数:32
判型:A5変型判・上製本 オールカラー
発行年月日:2025年12月1日






