旅は老母とともに
伊藤整の次男、伊藤礼さん(1933-2023)は自転車にまつわる『こぐこぐ自転車』
や『大東京ぐるぐる自転車』などのエッセイの書き手として知られています。還
暦を過ぎてロードバイクに乗りはじめ、全国各地を旅した顛末を描いたエッセイ
は抱腹絶倒で、そこには旅の魅力と、融通無碍な礼さんの文章の魅力があります。
本書にはその自転車にまつわるエッセイも収録されていますが、中心となってい
るのは家族のこと、とりわけ、父・伊藤整のことです。といっても、堅苦しい話
はほとんどなく、ユーモアたっぷりに昭和の文豪の姿を描いています。礼さんの
筆をとおして眺める伊藤整は人間味にあふれ、読む者の記憶にくっきりと残りま
す。伊藤整や自転車に興味がなくても、おもしろい読み物を読みたいという読者におすすめできます。装画は南伸坊さんです。(版元より)
著:伊藤礼
出版社:夏葉社
ページ数:384
判型:四六判
発行年月日:2025年10月15日






