【古本】モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん 修復家・岩井希久子の仕事
モネ《睡蓮》(地中美術館)、ゴッホ《ひまわり》(損保ジャパン東郷青児美術館)、ピカソ(DIC 川村記念美術館)やロスコ、ニューマンなどの現代アートやディズニーのセル画まで、修復を手がける中で起こった数々のドラマや、修復家だけが知っている絵の秘密などが語られています。
名画の8 割は過去の悪しき修復によってオリジナルの輝きが失われている現実や、大胆な発想で絵が消滅する危機を救った秘話、女性として仕事を続けてきた涙を誘うエピソードなど、読み物としても面白く、また、絵の新しい見方もわかる一冊。
本編のほかに、俳優・宮本信子さん、金沢21 世紀美術館館長・秋元雄史さんとの対談ほか、修復技法がわかるコラム、身近にある絵の保存方法なども掲載しています。
【目次】
第1章 さまざまな「病気」にかかった、名画の修復
ゴッホ《ひまわり》の修復
異なる運命をたどったふたつのピカソ
修復家への道のり
多忙な日々のはじまり
第2章 世界でいちばん絵にやさしい修復を目指して
自分らしい修復とは? 地中美術館のモネ
現代アート、セル画、多彩な表現に挑む
かつてない修復方法に挑んだ、山下清の貼り絵
修復を通じて感じた日本の美術館の問題
芸術の意味を再認識した絵との出会い
シベリア抑留体験が描かれた作品
対談 宮本信子(俳優)× 岩井希久子
対談 秋元雄史(金沢21世紀美術館 館長)× 岩井希久子
第3章 未来へ託す「タイムカプセル」をつくりたい
ベトナム絹絵修復プロジェクト
福島で発見された絵をめぐって
【店主より】
修復家という職業について知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。アート作品を楽しめるのは修復家の方が丁寧なお仕事をしてくれているから。美術鑑賞が好きな方にはぜひ一度読んでいただきたい一冊です。
著:岩井 希久子
出版社:美術出版社
発行年月日:2013年6月15日 初版
定価:2200円+税(絶版)
本の状態:良い/若干の捲れあり