【サイン本】踊るように寝て、眠るように食べる(第4版)
●お一人様一冊まででお願いいたします。
●この本は第4版です。今回より以下の点が変更となっています。
・ページ数が134ページに変更
・表紙、本文の用紙を変更
・表紙の文字を手書き文字に、本文デザインを変更
・あとがきを追加
・『転職ばっかりうまくなる』について、ぼやかして書いていた内容を、加筆・修正
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2022年11月1日から2023年3月31日までの日記と、その日記に登場した「もの」や「こと」をテーマに書き下ろしたエッセイ6篇を収録。
【以下、本文より一部抜粋】
十一月二十日(日)
“ダンダダンの麻婆豆腐がすっごくおいしくて、おもわず心の中に味をメモした。「麻婆豆腐」って、字だけ見るとなんかこわい。縦方向の線と横方向の線がごちゃごちゃってなってて、めちゃくちゃ荒れてる手相みたいだ。”
一月二十九日(日)
“花束を抱えて歩いて帰るのがすきだ。わけもなく、じんわりとうれしくなるから。右手には花束を抱え、左手にはスーパーの袋を下げ、住宅街の中を歩く。風もなく、穏やかな夜。ふと空を見上げると、ほぼ真上に月が浮かんでいた。自分がいなくなったら、このなんでもない時間ごと、なくなってしまうんだな、と思うと、ふいにさみしくなる。喜怒哀楽だけじゃない、穏やかで凪の感情を抱いているときのわたしを、誰かが覚えてくれるのだろうか。”
二月一日(水)
“お店を出ると、のぞむくんが「あの人風鈴好きそうな人だね」と言い「風鈴好きそうな人?」と聞き返すと、「風鈴」ではなく「古着」だった。そうだよね、風鈴好きそうな人ってなかなかいないよね、と自分の聞き間違いにげらげらしながら近くの郵便局へ寄ると、なんとほんとうに風鈴が好きそうな人がいた。”
三月十二日(日)
“電車を乗り継ぎ、つくば駅へ。えもさんとこうめいさんと、夜ごはんを食べに行く。うれしい話、ここだけの話。帰りはお母さんに駅まで迎えに来てもらい、帰宅。お酒を少し飲んだせいか、少しだけお腹が空いてると言うと、「カレーあるよ」との耳寄り情報が入る。実家を出て以来、たまに帰っても「せっかくだから」と晩ごはんはスーパーのお寿司だったり、お正月だからとお雑煮だったりするので、「もう、お母さんが作るカレーを食べられることはないかもしれないな」と少し前に寂しく思っていたばかりだった。普通に食べられた。うれしい。ふかふかの布団で眠る。”
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〈収録作品〉
日記(2022年11月1日〜2023年3月31日)
名付け親
果物一軍選手権
旨みは横に増さない
日本に初めて来た日
変わらない
饒舌な生きもの
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【店主より】
ひらいさんの文章を読んでいると、気になる言葉やリズミカルな文章がいくつも出てきてつい口に出したくなる。タイトルに「踊るように寝て」とあるけれど、これは「踊るように読める」日記本です。
嫌だったことも良かったこともどちらも書いてあるところ、たまにすごく日記の短い日があるリアルさが好き。日記本を読んだことないけど読んでみたいと思っている人にぜひおすすめしたい一冊。
著:ひらいめぐみ
装丁:花原 史樹
ページ数:134
判型:A6
発行年月日:2023年5月21日 初版
この本は2025年4月20日 第4版