心は胸のふくらみの中
トロの吐露リスのリスクたわしのわたし掬ってほしい救ってほしい
涙、傷、痛み、女の身体をもつこと。今生きていること全部載せ。
正直でラフでせつなくて、作者を好きになってしまう。
────飯田有子(歌人)
日常のたしかな憤りとときどきの喜びが、
「わたし」の人生を祝福するように歌われていました。
────和田彩花(アイドル)
【収録歌より】
おんなというもの野放しにして生きるには多すぎる爆撃機
愛はお金お金は愛じゃないけれど津波のようなパトロンが欲しい
素敵なことと思う友達の妊娠は知らない国の夜明けみたいな
冷や麦をゆでる八月平和とはわたしでいること家系図途絶えて
iPS細胞は元気にやってるのかなあこっちは元気よマヨネーズ山盛り
女の子を好きなぼくに好きだと言う男の子をなでるぼくの手のひら
賃金のすくなさ自転車を漕ぐちから肉まんふたつ分のおっぱい
独身のからだでどこまで行けるだろうずっと遠洋の漁船の灯り
著:菊竹胡乃美
装丁:成原亜美
装画:安藤智
出版社:書肆侃侃房
ページ数:120
判型:四六判
発行年月日:2023年4月6日 第1刷
【著者について】
菊竹胡乃美(きくたけ・このみ)
1995年福岡県生まれ。2015年から短歌を始める。
-------------------------
【おまけ】
本のすみかでご購入いただいた本にはブックカバーをお付けすることができます。
詳しくはSHOPPING GUIDEをご確認ください。
https://honnosumika.base.shop/blog/2023/08/07/231352