製本と自由
「製本する身体が自分の呼吸を助けてくれる」
生活綴方出版部の本はだいたい彼の手が入っている。手先が器用ではない、熟練でもない。うまくいかないこともある。それでも彼が製本に取り組むのは自由のためだ。「製本のリズムやうねりに身を投じていると気楽になれる。考えすぎたり言葉を選びすぎたりして口を噤んでしまう自分を解いてくれる。そんな時は言い淀みも、尻すぼみも気にせず流れるままに人と話せる」。生活綴方での本づくりを“見習い製本工”の支店から綴った記録集としても面白い。
著:向田 鉄
発行者/編集:中岡祐介(三輪舎)
印刷/製本/発行:生活綴方出版部
ページ数:36
判型:文庫判
その他仕様:リソグラフ印刷、中綴ホチキス製本
発行年月日:2023年11月11日 初版第1刷
■著者について
向田 鉄
新日本プロレス旗揚げの地、東京都大田区出身。プロレスと珈琲と音楽と本があれば生きていける人間。自称モフモフ愛好家。今年の5月に本屋・生活綴方の「年間最多店番記録」100回を人知れず樹立。好きな現役プロレスラーは柴田勝頼。『文集・バイト』(生活綴方出版部)に「記憶の贈り物」を寄稿。