母の最終講義

あの介護の日々は、母から私への教育だった――。

『絶対音感』『星新一』など傑作ノンフィクションの書き手であり、新聞の人生案内も人気な著者の、半生にじみ溢れる名エッセイ集。珠玉の47本。
最相葉月デビュー30周年記念企画

●本文より
「約三十年、介護とそれに伴う諸問題で心身共に限界だった時期もあるが、不思議なことに最近は、母が身をもって私を鍛えてくれていると思えるようになった。いざとなっても人工呼吸器や胃ろうはせず、自然に任せようと思っている。覚悟はあるのか、私。」(p26「母の最終講義が始まった」より)

「ああもう限界。酸素不足の水槽で口をパクパクさせる金魚のようになったら、一刻も早く東京に戻らねばならない。人に会い、原稿を書き、心を立て直す。その繰り返しである。交通費は、心身を健康に保つための必要経費と考えるようにした。」(p6「『余命』という名の時間」より)

「ひかえめだけど芯の強い自分と、出しゃばりだけど脆い自分は、一人の人間の中に共存している。仕事や家庭でさまざまな困難に向き合い、へこんだり笑ったりする時間を積み重ねるうちに鍛えられていく。」(p40「揺るがぬ岩より高野豆腐」)

「わが身を振り返ると、若年性認知症の母の介護が始まった二十代の頃、ヘルパーさんから自分の親の介護はほかのヘルパーに頼んでいると聞いて救われた気がした。そうか、人に頼っていいんだと安堵した。」(p124「ヤングケアラーを探せ」)

著:最相 葉月
装丁:脇田 あすか
出版社:ミシマ社
ページ数:176
判型:四六判変形
発行年月日:2024年1月22日 初版第1刷
この本は、2024年2月14日 初版第2刷

■著者について
最相葉月(サイショウハヅキ)
1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。科学技術と人間の関係性、スポーツ、精神医療、信仰などをテーマに執筆活動を展開。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)、『星新一 一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞ほか)、『青いバラ』『セラピスト』『れるられる』『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』『証し 日本のキリスト者』『中井久夫 人と仕事』ほか、エッセイ集に『なんといふ空』『最相葉月のさいとび』『最相葉月 仕事の手帳』など多数。ミシマ社では『辛口サイショーの人生案内』『辛口サイショーの人生案内DX』『未来への周遊券』(瀬名秀明との共著)『胎児のはなし』(増﨑英明との共著)を刊行。


-------------------------
【おまけ】
本のすみかでご購入いただいた本にはブックカバーをお付けすることができます。
詳しくはSHOPPING GUIDEをご確認ください。
https://honnosumika.base.shop/blog/2023/08/07/231352

¥1,980

なら 手数料無料で 月々¥660から

※こちらの価格には消費税が含まれています。

※別途送料がかかります。送料を確認する

送料・配送方法について

この商品の送料は、配送方法によって異なります。 配送方法は、ご購入時に選択することができます。
¥5,000以上のご注文で国内送料が無料になります。

  • レターパックプラス

    日本郵便が提供する宅配サービスです。荷物追跡に対応しています。

    全国一律 ¥600
  • クリックポスト

    全国一律 ¥250

※¥5,000以上のご注文で国内送料が無料になります。

再入荷のお知らせを希望する

年齢確認

再入荷されましたら、登録したメールアドレス宛にお知らせします。

メールアドレス

折返しのメールが受信できるように、ドメイン指定受信で「thebase.in」と「gmail.com」を許可するように設定してください。

再入荷のお知らせを希望する

再入荷のお知らせを受け付けました。

ご記入いただいたメールアドレス宛に確認メールをお送りしておりますので、ご確認ください。
メールが届いていない場合は、迷惑メールフォルダをご確認ください。
通知受信時に、メールサーバー容量がオーバーしているなどの理由で受信できない場合がございます。ご確認ください。

折返しのメールが受信できるように、ドメイン指定受信で「thebase.in」と「gmail.com」を許可するように設定してください。

通報する

ショップの評価

RELATED ITEMSこちらもおすすめです!