イリノイ遠景近景
近所のドーナツ屋で野球帽の男たちの話を盗み聞きする、女性ホームレスの緊急シェルターで働く、ナヴァホ族保留地で働く中国人女性の話を聞く、ベルリンでゴミ捨て中のヴァルガス・リョサに遭遇する…アメリカ・イリノイ州でトウモロコシ畑に囲まれた家に住み、翻訳や聞き書きをしてきた著者が、人と会い、話を聞き、考える。人々の「住処」をめぐるエッセイの傑作。
【古賀及子が愛読しすぎているエッセイ・日記本たち/古賀さんコメント】
イリノイ州で暮らして見たできごと、招致されたベルリンでのこと、話を聞きに訪れた
ニュー・メキシコのはなし。
そのフットワークは、行動力というよりも瞬発力が由来のように感じられる。あたたかくも
すみずみまで透き通ったクリアな視線が視野広くいきわたり、人たちから聞いた話は今まさに
話されたかのように新鮮だ。ただのまれるように読むしかない。
冴えわたるあとがきから、人は場所だけを住処とするのではないと解ったとき、人の尊厳の
奥行きが見えた気がした。
著:藤本 和子
出版社:筑摩書房(ちくま文庫)
ページ数:368
判型:文庫判
発行年月日:2022年9月10日 第1刷
この本は、2023年1月10日 第3刷
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