ノラや
百閒宅に入りこみ、不意に戻らなくなった愛猫ノラの行方を嘆じ続ける表題作を始めとして、猫の話ばかりを集めた二十二篇。
【古賀及子が愛読しすぎているエッセイ・日記本たち/古賀さんコメント】
選書フェアがうれしくて、つい、みんながあらかじめ大好きだろう本をわざわざ選んでし
まった。すみません。
とはいえただ好きだからだけではなく、最近再読し新鮮に驚いたというのが選出の理由なの
だった。20代前半のころ読んだ印象以上に、これは悲話ではないか。
愛するものの不在に加え、無事が不明であることの不安がいやというほどの紙幅でじっくり
畳みかけられ迫る。
かつて読んで感じた愛らしさや可笑しみはそのまま、生々しい失望が新しく胸に迫った。きっと、私が失う恐ろしさにいまや切実だからだろう。
著:内田百閒
出版社:筑摩書房(ちくま文庫)
ページ数:336
判型:文庫判
発行年月日:2003年6月10日 第1刷
この本は、2011年9月5日 第9刷
-------------------------
【おまけ】
本のすみかでご購入いただいた本にはブックカバーをお付けすることができます。
詳しくはSHOPPING GUIDEをご確認ください。
https://honnosumika.base.shop/blog/2023/08/07/231352