言葉と歩く日記
熊の前足と人の手,ドイツ語では単語が違う.では人の言葉で語る熊は,自分の手を何と表すだろう──.日独二カ国語で書くエクソフォニー作家が,「自分の観察日記」をつけた.各地を旅する日常はまさに言葉と歩く日々.言葉と出逢い遊び,言葉を考え生みだす,そこにふと見える世界とは? 作家の思考を「体感」させる必読の一冊.
【古賀及子が愛読しすぎているエッセイ・日記本たち/古賀さんコメント】
小学生のころつけたあさがおの観察日記のように、「日本語とドイツ語を話す哺乳動物と
しての自分を観察しながら一種の観察日記をつけてみることにした」と後書きにある。
日々のようすに平行して日独の言語を行き来するおもしろさと興奮が書きとめられ、エ
クソフォニー作家がエクソフォニー作家として生きるさまが現実的に伝わる。母語しか使
えない者として、あまりに見たことも感じたこともない景色で感激するばかり。
考えのひとつひとつが誠実で熱心で高潔で、ぼうっとしてただ憧れる。宝の書だ。
著:多和田 葉子
出版社:岩波書店(岩波新書)
ページ数:238
判型:新書判
発行年月日:2013年12月20日 第1刷
この本は、2022年4月5日 第5刷
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【おまけ】
本のすみかでご購入いただいた本にはブックカバーをお付けすることができます。
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