父を想う ある中国作家の自省と回想
中国の黄色い大地で、家族のために働き抜いた父や伯父たち。厳しくも慈愛溢れる彼らの生き様は古き良き中国を体現していた。文革、貧困、戦争……ノーベル賞候補作家による感動のエッセイ。
【古賀及子が愛読しすぎているエッセイ・日記本たち/古賀さんコメント】
体の不自由なひとたちだけの村でサーカス団を結成し、得た金でレーニンの死体を買う
『愉楽』。世界五大宗教の信者がプライドをかけ綱引きで戦う『心経』。漢詩が思い浮かんだ
とき、父を殺したくなる『中国のはなし 田舎町で聞いたこと』。
とんでもないテーマを、ただただ真面目に真顔で書いて続々中国内で発禁処分を受けて
しまう私の大好きな作家が、親戚に「なんで小説ばっかりで家族の話の本は出さないの」
と言われて書いたというエッセイだが、やっぱりこれも読めば閻連科の、ほとんど小説な
のだった。
貧しい農村の暮し、それこそが、閻連科のすべての創作に徹底される真顔性の根拠だ。
でかい石を家族で悲壮いっぱいで運ぶくだりがある。なんでと思うだろう。やむを得な
いのだ。
著:閻 連科
訳:飯塚 容
出版社:河出書房新社
ページ数:228
判型:四六判変形
発行年月日:2016年5月30日 初版
■著者について
閻 連科 (エン レンカ)
1958年中国河南省生まれ。80年代から小説を発表。2003年『愉楽』で老舎文学賞受賞。その後、本書を含め多数の作品が発禁扱いとなる。14年フランツ・カフカ賞受賞。ノーベル賞の有力候補と目されている。
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