最寄りの季節
耐え難い腹痛で乗り込んだ医院行きのバスの中で蘇る幼い日の記憶。不幸な人のもとに下駄を鳴らして現れる、物好きなお坊さん。ある冬の日、ちょっと気まずい中学時代の級友との再会。コインランドリーでてんとう虫を捜す少年。富士山が見える町、戻ってこないあの子の影――夏から秋へ、冬から春へ。人々は季節の中で立ち止まり、またおろおろと歩き出す。
第二十九回大阪女性文芸賞受賞作品「おかっぱちゃん」など5編を収録した珠玉の短篇集。(著者より)
著:幸若希穂子
装丁・装画:谷脇栗太
ページ数:256
判型:文庫判
発行年月日:2025年4月1日 初版
■著者について
幸若希穂子(ゆきわか・きほこ)
2012年「おかっぱちゃん」で第29回大阪女性文芸賞を受賞(朝倉由希野名義)。
2021年「鬱と夢中」が第37回太宰治賞 二次選考通過。
2022年「鬱と夢中」を私家版として書籍化。現在、会社員。
■『鬱と夢中』の販売ページはこちら
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